まずは、本人管理は基本的には無理と考えて下さい。薬剤師、ヘルパー等の介入、デイサービスでの内服等、他者が介在する形での服薬が基本になります。それ以外は、内服の遵守は期待できないと考えた方が無難です。そのため、内服を1回にする、薬を整理する等の必要があります。
FAQ
認知症FAQ
22) 認知症の処方に関して、ドクター毎に考え方が違うのは何故でしょうか?
基本的には添付文書に基づいた使用が推奨されていますが、抗認知症薬の副作用を理由として、少量投与を推奨する方々もいます。最近は医師の裁量の範囲とみなされています。2016年頃、「抗認知症薬の適量処方を実現する会」と言うものがありました。興味があればネットで調べて下さい。
23) 服薬しても変化がない場合でも薬を飲み続けたほうが良いのでしょうか?
認知症を診断する立場から言うと、治療法がなければ、無理して診断する意味がないと考えます。アルツハイマー型認知症治療薬(根治薬ではありませんが)がある以上、それを使用するのは妥当であり、継続も必要と考える立場です。第2章で述べています。
24) 何故、「物忘れ外来」の診療科が少ないのでしょうか?
もの忘れ外来は、必要と考えますが、非常にコストパフォーマンスが悪いのではと考えています。
25) 認知症の方を専門に見てくれる医師は今後もっと増えるでしょうか?
認知症専門医制度があり、受験者数も増えています。認知症をみざるを得ない医師は増えると思いますが、診療に関する温度差は出ると思います。
26) 運動は良いと聞いていますがどのような運動が良いのでしょうか?
高齢者に運動を勧めるのは、かなり大変と考えます。とりあえず、歩行機能の維持のため、散歩を勧めていますが、実際の予防効果はもう少し負荷のある運動が必要かと思います。
27) 臨床心理士・公認心理師とは?
*臨床心理士は、1988年に設立された公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する既に30年以上の歴史のある心理職の民間資格です。
臨床心理士になるには、臨床心理士養成に関する指定大学院または専門職大学院の修了した方に受験資格が得られます。資格取得後も5年毎に資格更新審査があり、心理臨床の質を維持・向上することが求められます。
*公認心理師は、2017年9月に施行された公認心理師法を根拠とする、日本初の心理職の国家資格です。
公認心理師になるには、大学及び大学院で『指定された科目』を履修。もしくは大学で『指定された科目』を履修し卒業、且つ『特定の施設※』で2年以上の実務経験を積んだ方に受験資格が得られます。
公認心理師誕生に伴い、臨床心理士の多くも公認心理師の資格を取得しています。
いずれの資格所有者も臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です